神奈川腎炎への意気込み

神奈川腎炎研究会は37年という本邦で最も長い歴史をもつ腎生検の研究会です。

腎病変には腎臓が原発で発症する原発性腎炎に加えて全身性疾患(リウマチ膠原病,糖尿病等)に伴う腎病変,薬剤性腎症(近年では化学療法として使用される分子標的薬や免疫抑制剤等による),腎移植後の腎症等々広範囲にわたる腎病変があります。これらの腎生検組織を正確に診断することでその後の治療を含めた腎予後や生命予後にも影響を与えます。腎生検診断を1人の病理医の診断では十分でないことも多く,複数の病理診断医に加えて,複数の腎臓内科医の意見が加わることでより臨床情報に紐ついた病理診断が得られることは必定です。

通常の学会では1演題7分が限界ですが,この時間内で発表に対する適切なアセスメントを行うには不十分と言わざるをえません。学会で出来ない議論を1時間かけて行うのがこの研究会です。1回の研究会につき5演題を予定しますが,この研究会を最初から最後まで聴いて頂くだけで,そして議論に参加して頂くことで皆様が普段お持ちの問題点に対する解釈が得られるものと信じています。名称は神奈川腎炎研究会ですが,他府県からの演題、さらに海外からの演題を受け付けています。

どうぞ皆様 奮って参加ください。

神奈川腎炎研究会 会長 乳原善文